研究課題/領域番号 |
16K19484
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
腎臓内科学
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
篠崎 康之 金沢大学, 附属病院, 特任助教 (60706878)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
研究課題ステータス |
中途終了 (2016年度)
|
配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2016年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 慢性腎臓病 / 腸管トランスポーター / 内科 |
研究実績の概要 |
これまでに着目してきたトランスポーター:carnitine/organic cation transporter 1 (OCTN1)は,慢性腎不全状態では腸管での機能が低下し,食餌由来の抗酸化物質:ergothioneineの吸収が低下すること,それに伴い体内のergothioneineが減少し,酸化ストレスの増大により腎不全を悪化させることを,動物実験およびヒト慢性腎臓病例の血液サンプルを用いて検証し,結果を論文にまとめ投稿した.OCTN1-ergothioneineは障害臓器の酸化ストレスを軽減するための防御システムと推定される.腎不全による腸管トランスポーターの機能障害が,この防御システムに悪影響を及ぼすと考えがえられ,慢性腎臓病の臓器連関を考える上で興味深い結果であった. 腎不全状態における腸管トランスポーターの変化のメカニズムを,腸上皮培養細胞を用いて検証した.腸管と関連する尿毒素であるインドキシル硫酸やp-クレシル硫酸による刺激実験ではOCTN1の発現は亢進し,これまでの結果とは合致しなかった.また腸内細菌や菌叢由来の物質がトランスポーターの発現に影響している可能性について,抗菌薬投与マウスや無菌マウスを用いた検討も行った.これらのマウスについてもOCTN1の発現の変化は有意な変化を認めなかった.先の実験ではOCTN1の機能低下にはアダプター蛋白であるPDZK1が重要な役割を果たしていると考えられた.そのため,トランスポーターそのものの変化だけではなく関連するアダプター蛋白の発現の変化を確認していく予定である.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
腎不全と関連する物質による腸管トランスポーターへの影響は十分に確認できていない.
|
今後の研究の推進方策 |
慢性腎臓病における腸管の変化はここ数年で複数の論文で報告がなされている.それらの新たな知見から随時ヒントを得ながら実験計画を進めていく.
|