研究課題
若手研究(B)
腎不全に対する間葉系幹細胞の治療効果を検討するため、慢性腎不全モデルにおける血管石灰化に対する脂肪由来間葉系幹細胞移植の影響についての検討を行った。結果、間葉系幹細胞治療群では、有意に腎臓の尿細管の拡張や線維化が抑制されていた。また、間葉系幹細胞投与により、ラット血管内のカルシウム・リン含有量が低下しており、組織学的にも石灰化の抑制が示された。以上より、アデニン腎不全石灰化モデルラットにおいて、脂肪由来間葉系幹細胞は腎機能の増悪及び血管石灰化進行を抑制することが示唆された。
この研究により自己脂肪由来間葉系幹細胞による慢性腎臓病治療の可能性が見いだされた。慢性腎臓病は日本に1300万人の患者がおり、透析が必要な末期腎不全患者は30万人を超えおり、現在も増加傾向である。日本の透析医療費は1兆5千億円を超えており、この研究が進めば、医療費を圧迫している透析医療の回避に役立つことが予想される。
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scientific reports
巻: Oct 25; 7 (1) 号: 1 ページ: 14036-14036
10.1038/s41598-017-14492-9
Clin Exp Nephrol. 2016 Sep 30. [Epub ahead of print]
巻: - 号: 4 ページ: 579-588
10.1007/s10157-016-1337-x