研究課題/領域番号 |
16K19514
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
小早川 優子 九州大学, 大学病院, 学術研究員 (40733788)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2016年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 筋萎縮性側索硬化症 / コネキシン36 / 電気シナプス / 神経科学 / シナプス |
研究実績の概要 |
神経細胞間情報伝達機構には、神経伝達物質がシナプス後膜の受容体に結合するchemical synapse (化学シナプス) と、神経細胞膜上のconnexin (Cx) 蛋白同士が形成するgap junctionを通じてイオンや小分子が細胞間を移動するelectrical synapse (電気シナプス) がある。筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic lateral sclerosis, ALS)に化学シナプスが関与することはこれまでに多数の報告があるが、電気シナプスについての報告はない。 本研究ではALSモデルマウスを用い、電気シナプスを形成する代表的Connexin蛋白であるCx36について観察を行った。マウスの腰髄前角でCx36は単独でelectrical synapseとして存在する場合と、興奮性もしくは抑制性のchemicalシナプスと共存しmixed synapseとして存在する場合が観察された。ALSモデルマウスでは、発症以前よりCx36単独で存在するelectrical synapseが脱落していた。一方で化学シナプスと共存するmixed synapse内のCx36は保たれていた。さらにヒトALS剖検例でCx36の発現を観察したところ、腰髄の運動ニューロンが比較的保たれている症例でもCx36の発現が低下している例が認められた。 以上より、Cx36の形成する電気シナプスは病態の早期に脱落をしており、ALSの運動ニューロン死に関与していると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ALSモデルマウスで早期より脱落する電気シナプスの特徴を明らかにした。またヒトALS症例でもCx36の発現が低下していることを明らかにした。
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今後の研究の推進方策 |
筋萎縮性側索硬化症における電気シナプスの脱落が運動ニューロン死にどう寄与するのかを明らかにする。AAV vectorを用いてマウス脊髄内のCx36の発現を抑制もしくは上昇させ、ALSモデルマウスにおける運動ニューロン死が促進されるか、もしくは抑制されるかどうかを観察する。
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