研究課題
若手研究(B)
B型肝炎ワクチン初回接種後の若年成人574名のワクチン反応性とHLA-DP,DQ,DRアリルの関連を検討した。HLA-DP,DQ,DRそれぞれにワクチン反応性と関連するアリルが存在し、さらにアミノ酸・蛋白構造レベルで検討するとHLA-DP分子の抗原結合溝の抗原結合ポケット1及びHLA-DR分子のポケット4がB型肝炎ワクチン反応性に重要であった。同定されたアリルはB型肝炎慢性化と関連するものと同一であり、慢性化と関連が報告されているSNPsはワクチン反応性とも関連を示した。Class II HLAを介したHBs抗原に対する宿主の免疫応答を通じて、同様の機序が個人差に寄与していることが示唆された。
B型肝炎ワクチンの反応性は個人差が大きく、特に5-10%存在するといわれるワクチン無反応者に対する解決策はいまだない。本研究の社会的意義として、ワクチン反応性を規定する宿主要因を明らかにすることでワクチン抗原ペプチドの改良に寄与する可能性がある。また、ワクチン反応性とB型肝炎慢性化に共通する機序があることが示唆され、今後B型肝炎罹患者における予後マーカーやウイルス排除治療に有用な知見となる可能性がある。学術的には、宿主の免疫応答に重要であると従来言われている抗原結合領域のポケットのうち、B型肝炎ワクチンではHLA-DPのポケット1およびHLA-DRのポケット4が重要であることが明らかとなった。
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