研究課題/領域番号 |
16K19779
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
松田 康裕 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (70445063)
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研究協力者 |
盛本 翼
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 統合失調症 / 認知機能リハビリテーション / 心理社会的治療 / 脳可塑性変化 / 認知矯正療法 / 精神神経科学 |
研究成果の概要 |
統合失調症患者に対する認知機能リハビリテーション(CRT)後の脳構造的変化を用いた研究はほとんどない。我々は統合失調症患者をCRTを実施する介入群(n=16)および通常治療を継続する対照群(n=15)に無作為に割り付けた。介入群は週2回のコンピュータトレーニングと週1回の言語グループを約12週間実施した。 介入群は言語流暢性と全般的認知機能スコアにおいて対照群よりも有意な改善がみられた。また介入群は対照群よりも有意に右海馬容積が増加した。さらに言語流暢性スコアの変化量と右海馬容積の変化量とは正の相関がみられた。本結果よりCRTにより海馬の神経可塑性を介して認知機能を改善させた可能性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
VCAT-Jの介入により言語流暢性および全般的認知機能が改善し、さらに右海馬容積の増加もみられた。この海馬容積の増加と言語流暢性課題の改善とが有意に正の相関がみられた。これらの結果により、VCAT-Jが海馬の可塑性を介して神経認知機能の改善を誘導する可能性が示唆されたことが、脳の可塑性変化に対する理解の深化に寄与でき、非常に特色のある研究となった。 また今後、就労を希望する精神障碍をもつ人に対してVCAT-Jと個別的就労支援を組み合わせた包括的就労支援プログラムが実践されることで、より多くの方が単に就労が可能になるという事のみではなく、その質が改善することが期待される。
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