研究課題/領域番号 |
16K19793
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
柏木 宏子 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 病院, 医員 (90599705)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2016年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 暴力 / リスクアセスメント / 保護要因 / SAPROF / 予測妥当性 / 医療観察法 / 当事者参加型 / ストレングス / リスク・アセスメント・マネージメント / 当事者主導 / 評価者間信頼性 / リスク要因 / HCR20 / 司法精神医学 |
研究成果の概要 |
医療観察法病棟に入院していた者を対象とし、暴力リスクの保護要因評価尺度SAPROF 日本語版の、評価者間信頼性(評価者による一致度)と予測妥当性(将来の暴力の予測の精度)を検証した。その結果、良好な評価者間信頼性と、良好な予測妥当性(評価後半年以内と1年以内の暴力に対する予測)が得られた。さらに、暴力の保護要因に対する当事者の視点と専門家評価との相違点を調査した。当事者は、専門家と比較して、人生の目標と治療への動機付けは高く(あると)、保護の強さは高く、リスクは低いと評価し、暴力を防御するための今後の重要な目標は、仕事、人生の目標、親密な関係(婚姻や交際)を選択したものが多かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
暴力リスクをアセスメントする際には、リスクや問題点にばかり焦点が当てられていた。近年は、リスクを代償する要因、ストレングスに着目した保護要因が注目されるようになり、より前向きで治療的な視点が提供され、当事者と支援者の両者のモチベーションを高める可能性が期待されている。本研究では、暴力の保護要因を評価するSAPROFの有用性について検証した。また、当事者自身の保護要因についての視点と専門家の視点との相違点が明らかとなった。お互いの視点を学ぶことで、共通の目標を設定し、治療同盟構築に寄与できる可能性がある。日本の司法精神医学においても保護要因の考え方が普及することに貢献した。
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