研究課題
若手研究(B)
覚醒療法は、低用量ケタミンに次ぐ即時抗うつ効果のみならず、光療法や薬物療法の併用によりすぐれた維持効果を発揮する治療法であり、双極性障害及び大うつ病性障害の新たな治療戦略として海外では臨床的有用性が実証されている。他方、その作用機序については不明な点が多く、難治性病態の克服にも課題を残す。グルタミン酸神経伝達修飾は、ケタミンの作用機序と同様に覚醒療法に対する抗うつ反応においても重要な役割を担う可能性が示唆される。本研究課題は、覚醒依存的な神経可塑性に関連するグルタミン酸受容体部分アゴニストD-cycloserine(DCS)による覚醒療法の増強効果を検証することを目的とした。研究代表者の異動に続き、研究期間内に海外留学を開始することとなり、DCS併用療法の導入を見合わせ、光療法と併用した覚醒療法の臨床的有用性及びその治療メカニズムを検討する計画に変更した。少数例において本プロトコルの臨床的有用性が確認された。概日指標として治療中の時間知覚と治療効果の関連を検討したところ、時間知覚が気分と高い近縁性を有し、治療初期における時間知覚の概日変動が覚醒療法の治療効果を予測することが示唆された。研究代表者の海外留学の期間延長に伴い期間中の研究再開が困難となり、平成30年度に本研究は終了となった。
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