研究課題
若手研究(B)
低酸素癌を標的としたスポットスキャニング陽子線治療のシミュレーョンを行う環境を構築した。10例の上咽頭癌患者において、低酸素癌を標的としたスポットスキャニング陽子線治療装置によるintensity-modulated proton therapy (IMPT)のシミュレーションを行い、X線によるintensity-modulated X-ray therapy (IMXT)と比較したところ、耳下腺や口腔の線量及び障害発生確率は陽子線治療の方が低い値であった。低酸素を標的とした放射線治療を実施する際に、スポットスキャニング陽子線治療がX線よりも有用であることを示した。
スポットスキャニング陽子線治療は臨床における最先端の放射線治療の一種であるが、今回、低酸素癌を標的とした強度変調陽子線治療が実施可能なことをシミュレーションにて示した。陽子線の特性をいかし、治療抵抗性である腫瘍内部の低酸素領域のみに高線量を投与して治療効果を高め、それ以外の治りやすい領域の線量は抑えることで、正常組織障害のリスクを最大限抑えることが可能な治療となりえる。癌の克服とQOLの維持を両立した癌治療の確立のための基礎的な研究成果と考えられる。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 1件、 招待講演 3件)
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