fMRIを用いて機能的解析を行い、安静時脳活動ネットワークにおける小脳の役割について明らかとし、小脳腫瘍患者の認知機能障害の根底をなす小脳と他領域との機能的結合の変化を小脳腫瘍患者5名について解析した。術前の認知機能評価において小脳腫瘍患者では、実行機能を反映するTrail Making Testで優位に成績の低下が見られた。安静時脳活動では脳領域間の機能的な結合について、BOLD波形の相関分析を行った結果、健常者では前頭葉、海馬、小脳の各モジュールは相互に結合性を示さないが疾患脳では大脳・大脳間および大脳・小脳間の皮質結合が増強した。
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