研究課題/領域番号 |
16K20117
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
麻酔科学
|
研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
木田 康太郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (70385318)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
|
配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2016年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 心停止 / 心肺蘇生 / 二酸化炭素 / 循環器・高血圧 |
研究成果の概要 |
蘇生後の二酸化炭素(CO2)吸入が蘇生後の生存率に与える影響を明らかにするため本研究を行った。全身麻酔下にマウス に気管内挿管後、動脈圧、中心静脈ラインを確保し塩化カリウム(KCl)投与により心停止を起こした。8分の心停止後、100 % 酸素による人工呼吸、エピネフリンの持続投与を開始し胸骨圧迫 (約300回/分)を行い蘇生を行った。蘇生後10分後から、10 % のCO2吸入を2時間継続した。蘇生後のCO2吸入は心停止・心肺蘇生後10日後の生存率が改善されることが明らかになった。さらに、CO2の吸入は蘇生後24時間、48時間後の神経障害を防ぐことが明らかになった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
米国では年間およそ36万人が病院外心停止を起こしている。治療にかかる医療費は膨大で、病院外心停止患者一人の治療に平均で約 10 万ドルかかり、その結果年間 330億ドル以上が病院外心停止患者の治療に使われているが、有効な治療法はない。本研究結果から二酸化炭素(CO2)の吸入が蘇生後の予後を改善する可能性が示された。CO2 は安く、化学的に安定な分子であることから酸素と混合した状態でガスボンベに保存でき、特別な装置を使わずに蘇生後の患者に投与することが可能である。これらの利点から蘇生後のCO2 吸入は臨床への導入は比較的容易であり、応用されればそのインパクトは非常に大きいものであると予想される。
|