研究課題
若手研究(B)
疫学研究から、胎生期低栄養を経験した児は、将来メタボリックシンドローム発症の高リスク群であることが報告されている。我々は、胎生期低栄養マウスモデルの内臓脂肪組織、肝臓組織において、小胞体ストレスが亢進しており、小胞体ストレス緩和剤である二次胆汁酸(Tauroursodeoxyclic acid;TUDCA)の経口投与により肥満、非アルコール性肝脂肪性肝疾患が改善する効果について発表してきた。特に、肝臓において、胎生期低栄養によりプログラムされ、成獣期にCidea および Cidecの遺伝子発現が亢進して肝細胞における脂肪滴のサイズが増大して脂肪蓄積が増大する可能性を見いだした。
我が国では、妊孕世代の女性のやせが増加している。一方で、低出生体重児は増加の一途をたどっており、妊娠中のエネルギー摂取不足は、その一因であると考えれ、我が国において、児の将来のメタボリックシンドロームの罹患率の上昇が危惧される。小胞体ストレス緩和は、胎生期低栄養に由来する、メタボリックシンドロームの低減を目指した治療の候補として期待される。また、メタボリックシンドロームの肝臓での表現型である非アルコール性肝脂肪肝においても、Cidea,Cidec遺伝子発現の増加をもたらすメカニズムをさらに解析することで、先制医療のターゲット候補を見出すことが期待される。
すべて 2019 2018 2017 2016
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (9件) 図書 (2件)
Sci Rep.
巻: 9(1) 号: 1 ページ: 17100-17100
10.1038/s41598-019-52943-7
120006716649
Congenit Anom
巻: - 号: 6 ページ: 1-2
10.1111/cga.12200