研究課題
若手研究(B)
独自の遺伝子改変マウスを用いて、転写因子Nrf2が口腔粘膜における抗酸化酵素群および細胞増殖関連遺伝子群の発現を調整していることを確認した。また、Nrf2活性により粘膜肥厚が制御されていることが明らかになった。放射線による口腔粘膜炎の改善効果においては、Nrf2の変化における有意な改善効果は得られていないが、条件検討および数を増やす追加実験を行う予定である。
進行頭頸部癌に対する化学放射線治療はしばしば重度の口腔咽頭粘膜炎およびそれに起因する不可逆的な嚥下障害をもたらし、著しくQOLを低下させる。放射線による粘膜炎は、放射線による直接のDNA二重鎖破壊に加え、活性酸素種の関与が知られている。転写因子Nrf2は酸化ストレスに対する生体防御において中心的役割を果たしていることが知られている。本研究ではNrf2が口腔粘膜において抗酸化酵素群を発現していること、粘膜肥厚を制御することを明らかにし、放射線粘膜炎を抑える可能性を示し、将来の臨床応用が期待される結果となった。
すべて 2018
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American journal of otolaryngology
巻: 39 号: 2 ページ: 77-81
10.1016/j.amjoto.2018.01.008
European Archives of Oto-Rhino-Laryngology
巻: 印刷中