患者由来iPS細胞を用いた神経線維腫2型における両側聴神経腫瘍発生機序の解明

• 研究課題/領域番号: 16K20276
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 基金
• 研究分野: 耳鼻咽喉科学
• 研究機関: 慶應義塾大学
• 研究代表者: 松崎 佐栄子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 共同研究員 (70573400)
• 研究協力者: 大石 直樹
• 研究期間 (年度): 2016-04-01 – 2019-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2018年度)
• 配分額: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円); 2017年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円); 2016年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
• キーワード: 神経線維腫症２型 / 聴神経腫瘍 / 遺伝性難聴 / NF２ / iPS細胞 / ヒトiPS細胞 / NF2 / ヒト疾患由来iPS細胞 / iPS / 神経線維腫症2型 / hiPS細胞 / 内耳道

研究成果の概要

遺伝性疾患の疾患iPS研究ではloss of function解析のために遺伝子改変技術により遺伝子変異を修復することで，細胞レベルでの表現形が消失するかを確認する。そのため本研究ではまずiPS細胞樹立予定症例を含めたNF2患者における変異の同定を行った。MRIにて両側聴神経腫瘍を認め臨床的にNF2と診断した患者７例（男性３例，女性４例）の末梢血からDNAを抽出し次世代シークエンサーにて遺伝子解析を行い５例がpathogenic，１例がlikely pathogenic，１例がunknownであった。現在，遺伝子変異と臨床像の関連を検討中で，病原性の高い変異症例からiPS細胞を樹立予定である。

研究成果の学術的意義や社会的意義

神経線維腫症2型の患者由来iPS細胞を樹立するにあたり、まずは末梢血を用いてNF2患者の遺伝子変異の解析を行った。遺伝子変異と実際の臨床像を検討中であり、今回の研究成果により病原性の高い遺伝子変異症例を選択しiPS細胞を樹立することが可能となる。よってより効率的に神経線維腫症2型の病態を解明できると考えられる。

研究成果

• [雑誌論文] Schwannoma of the External Auditory Canal as a Part of Schwannomatosis (2019)
  • 著者名/発表者名: Saeko Matsuzaki, Naoki Oishi, Satoko Wakabayashi, Kaoru Ogawa
  • 雑誌名: Acta Oto-Laryngologica Case Reports 巻: Vol. 4,Issue 1 号: 1 ページ: 5-9
  • DOI: 10.1080/23772484.2018.1563493
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Expression Pattern of EYA4 in the common marmoset (Callithrix jacchus) cochlea. (2018)
  • 著者名/発表者名: Saeko Matsuzaki, Makoto Hosoya, Hideyuki Okano, Masato Fujioka, Kaoru Ogawa
  • 雑誌名: Neuroscience Letters 巻: 662 ページ: 185-188
  • DOI: 10.1016/j.neulet.2017.10.030
  • 査読あり
• [学会発表] 当院の神経線維腫症２型症例におけるNF2遺伝子の分子遺伝学的検討 (2019)
  • 著者名/発表者名: 野口勝, 藤岡正人, 松永達雄,大石直樹, 吉浜圭祐,西山崇経, 鈴木成尚, 細谷誠, 松崎佐栄子, 神崎晶,, 森本佑紀奈, 戸田正博, 大平貴之, 吉田一成, 小川郁
  • 学会等名: 第28回日本聴神経腫瘍研究会
• [学会発表] 当院の神経線維腫2型症例におけるNF２遺伝子の分子遺伝学的検討 (2019)
  • 著者名/発表者名: 野口勝, 藤岡正人, 大石直樹, 吉浜圭祐,松永達雄,務台英樹,奈良清光,西山崇経, 鈴木成尚, 細谷誠, 松崎佐栄子, 神崎晶,小川郁
  • 学会等名: 第120回日本耳鼻咽喉科学会
• [学会発表] Expression pattern of EYA4 in the common marmoset (Callithrix jacchus) cochlea (2018)
  • 著者名/発表者名: Saeko Matsuzaki, Makoto Hosoya, Hideyuki Okano, Masato Fujioka, Kaoru Ogawa
  • 学会等名: ARO 2018 Association for Research in Otolaryngology MidWinter Meeting
  • 国際学会
• [学会発表] コモンマーモセット蝸牛におけるEYA4発現パターンの検討 (2017)
  • 著者名/発表者名: 松﨑 佐栄子、細谷 誠、藤岡 正人、小川 郁
  • 学会等名: 第62回日本聴覚医学会
• [学会発表] EYA4遺伝子変異特異的疾患iPS細胞の樹立 (2017)
  • 著者名/発表者名: 松﨑 佐栄子、細谷 誠、藤岡 正人、小川 郁
  • 学会等名: 第27回日本耳科学会総会・学術講演会
• [学会発表] Canal wall down tympanoplasty with soft posterior meatal wall reconstruction in cases of recurrent cholesteatoma (2016)
  • 著者名/発表者名: Saeko Matsuzaki
  • 学会等名: 10ｔｈ International Conference on Cholesteatoma and Ear Surgery
  • 発表場所: Edinburgh International Conference Centre(イギリス エジンバラ)
  • 年月日: 2016-06-05
  • 国際学会
• [学会発表] 真珠腫再形成性再発成人例に対する外耳道軟組織再建術の検討 (2016)
  • 著者名/発表者名: 松崎 佐栄子
  • 学会等名: 第117回日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会
  • 発表場所: 名古屋国際会議場(愛知県名古屋市)
  • 年月日: 2016-05-19