研究課題/領域番号 |
16K20501
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
補綴・理工系歯学
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
大上 博史 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 助教 (70711307)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2017-03-31
|
研究課題ステータス |
中途終了 (2016年度)
|
配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2017年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2016年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 歯の喪失 |
研究実績の概要 |
本研究課題では,アルツハイマー病(AD)と歯の喪失および咀嚼動態の変化を「脳と口腔のクロストーク破綻」として捉え,そのメカニズムを分子生物学的に明らかにすることを目的とした。ADでは脳内のBDNF(Brain-Derived Neurotrophic Factor)の発現変動が確認されており,口腔と脳との関連を明らかにする上で有用なバイオマーカーであると考えられる。そのため,成熟したマウスの歯を実験的に喪失させた群や粉末食を与える群を設定し,歯の喪失や咀嚼動態の変化といった口腔の因子が脳内BDNFの発現にどのような影響を及ぼすかを検討した。マウスを抜歯・粉末群,抜歯・固形群,非抜歯・粉末群,非抜歯・固形群に振り分けた。観察期間を4週間および16週間に設定し,その後,行動実験を行い,海馬領域の神経細胞数やBDNFのmRNA量を比較した。その結果,4週間の実験期間において,行動実験では群間に有意差を認めなかったが,神経細胞数やBDNFのmRNAは歯の喪失によって減少しており,すでに脳内で変化が生じている可能性が示唆された。さらに16週間の実験期間においては,歯の喪失および粉末食を与えられている群の行動実験は有意に悪化し,同様に神経細胞数やBDNFのmRNA量も減少した。この結果から,成熟したマウスにおける歯の喪失と食形態の変化が脳に与える影響は異なることが明らかとなり,認知機能低下を防ぐには歯の保存と十分な咀嚼能力が必要であることが示唆された。
|