研究課題
若手研究(B)
本研究では、われわれは活性酸素種(ROS)が腫瘍血管に蓄積していることと、ROSがVEGFやBiglycanなどの血管新生関連遺伝子の発現を亢進させ、TECの運動能亢進を引き起こすことを明らかにした。これらの遺伝子の中で、われわれはBiglycanというスモールロイシンリッチプロテオグリカンに着目した。Biglycanの受容体として知られているToll様受容体2および4の阻害は、ROSによって引き起こされるTECの運動能亢進をキャンセルした。また、Smad2/3がBiglycanの発現を制御していることも見出した。これらのことにより、ROSを制御することによる腫瘍血管新生阻害の可能性を示した。
活性酸素種は、細胞死との関連が広く知られており、細胞を傷害する毒物として認識されてきた。そのため、老化や発がんなど多くの疾患の要因となっていることが数多く報告されている。一方で、がんにおいては、活性酸素種ががん細胞の転移能や治療抵抗性に関与するなどこれまでに数多く検討されているが、腫瘍血管での検討はほとんど行われていなかった。本研究により腫瘍血管内皮細胞の異常な血管新生能獲得にがん組織内の活性酸素種が影響することを解明し、それを制御することができたことは、がん治療の一助になりうると考えられる。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (4件)
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