研究課題/領域番号 |
16K20820
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
高齢看護学
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
沖 亞沙美 香川大学, 医学部, 助教 (70774024)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2016年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 認知症 / 高齢者 / スピリチュアルペイン / 在宅 / 現象学 / 日本人 / 家族会 / 認知症高齢者 |
研究成果の概要 |
本研究によって,認知症高齢者にスピリチュアルペインが存在していることが明らかとなった.研究協力者は,通所介護型施設を利用する認知症高齢者1名を対象に,参与観察によって得られたデータを収集し,現象学的に分析を行った.研究協力者は,認知機能の低下に伴って,①自分が自分でなくなっていくような感じや,②生きている意味がないのではないかと考えた経験があることや,③家族や超越的な存在との関係性の中で,申し訳ないことをしていると考え,孤独感や疎外感を感じていることがわかった.それらのスピリチュアルペインは,時間,環境,関係性の中で,苦悩が高まったり,逆に癒さりたりしていることが明らかとなった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の意義は,認知症高齢者自身を研究協力者として参与観察を複数回行うことで,様々な示唆を得られたことである.認知症高齢者の精神的,身体的,社会的苦痛を包含する形で根本的なスピリチュアルペインとして表出されていた.①研究協力者自身の壮年期に獲得した能力や役割に近しい役割を,通所介護施設でも遂行していること,②壮年期までに獲得した感覚や質は,生活の中でも生かされており,それらの能力にサポートする側が気付くことが,お互いに尊重してケアを提供しあえる関係性に発展することが示唆されたこと,③障害されている脳の部位を検討したうえで,低下が著しくない機能維持の訓練が有用であることが考えられた.
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