研究課題/領域番号 |
16K20875
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
動物生理・行動
発生生物学
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
渡邊 崇之 北海道大学, 理学研究院, 学術研究員 (70547851)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
|
キーワード | 性決定 / 性的二型神経回路 / doublesex / fruitless / 昆虫 / 進化 / 神経科学 / 発生・分化 |
研究成果の概要 |
本研究の目的は、原始的な昆虫の脳の性決定機構を明らかにし、昆虫脳性分化機構の進化を解き明かすことである。ショウジョウバエ脳で性特異的遺伝子として発現し神経細胞の性決定を担うfruitless・doublesex遺伝子に着目し、原始的な不完全変態昆虫の神経系でこれらが性決定に関与するかを調査した。その結果、原始的な不完全変態昆虫のfruitless遺伝子には性特異的遺伝子産物を生み出す機構が備わっておらず、doublesex遺伝子の性特異的遺伝子産物のみが生じることを明らかにした。このことから原始的な昆虫はdoublesex遺伝子のみに依存した脳の性分化機構を保有していたと考えられる。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々ヒトを含む多くの動物は、脳の形態や脳を構成する神経回路に雌雄差(性的二型)が存在する。本研究では昆虫を材料に、性的二型が作られる遺伝的メカニズムと脳の発達メカニズム、そしてその進化を理解するための研究を展開した。本研究の結果、モデル生物であるショウジョウバエ脳で主要な神経回路の雌雄差を決定する遺伝子であるfruitless遺伝子が、コオロギやゴキブリなどの原始的な不完全変態昆虫脳においては性決定に関与しないことなど、昆虫脳における性決定メカニズムの多様性を示す結果を得た。脳の性的二型は性行動の発現に重要だと考えられることから、本研究から昆虫における性行動の神経基盤の多様性が示唆された。
|