研究課題/領域番号 |
16K20883
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
生態・環境
生物資源保全学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
小林 由美 北海道大学, 農学研究院, 研究員 (30634737)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2016年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 個体群動態 / 海生哺乳類 / 鰭脚類 / 北海道 / 野生動物管理 / ゼニガタアザラシ / 個体数 / トレンド / 哺乳類 / アザラシ / 海洋環境変化 / 長寿命 / 個体識別 / 漁業被害 / 希少種 / 人間との軋轢 / 個体数推定 / 生態学 / 動物 / 保全 |
研究成果の概要 |
北海道東部沿岸に生息するゼニガタアザラシについて,過去から現在までの個体数調査のデータをまとめた.1980年代以降2000年代までは,生息数は年平均3-5%前後で増加し,2008年の1,089頭が最大であった.諸外国と比べると増加率は低く,混獲の影響によるものと考えられた.混獲防止対策は漁業被害軽減にもつながることから,現場の定置網漁業者らによる漁具改良の試行錯誤は続いている.また,2010年頃からゼニガタアザラシ個体数は増加しておらず,近年の海洋環境変動の影響を受けて,新生子から亜成獣クラスの生存率が減少している可能性が示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本に生息する唯一の鰭脚類であるゼニガタアザラシは,1970年代に人間による過度の狩猟により絶滅の危機に瀕したが,その後に個体数が回復してきた経緯を持つ.本研究では,本種の過去から現在までの分布と個体数変動をまとめた.個体数は過去30年間では約3倍に増えたが,近年は,海洋環境変動の影響を受けて増加していないことが示唆された.また,初期死亡率は平均20-40%,最大で70%であるが,成獣以降の生存率が90%以上で,またメス成獣は高い割合(70%以上)で子を持つといった生活史パターンを明らかにした.これらのデータは,本種の今後の管理を進めていくにあたり,学術的にも社会的にも貢献する.
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