研究課題/領域番号 |
16K20923
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
日本語学
言語学
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
ジスク マシュー・ヨセフ 山形大学, 大学院理工学研究科, 助教 (70631761)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2016年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 日本語史 / 漢文訓読 / 言語接触 / 意味借用 / 翻訳借用 / 借用派生語 / グロス / 口訣 / 訓点資料 / 口訣資料 / 借用 / 歴史コーパス / グロッシング / グロス資料 / 借用形式 / 言語借用 |
研究成果の概要 |
本プロジェクトの目的は言語接触・通言語学的視点から漢文訓読の性質と特徴を分析することで、日本語の形成における漢文訓読の役割を明らかにすることであった。漢文訓読とは、漢文の一字一字を自言語(=日本語)に直訳していくプロセスであるが、このプロセスを経て、日本語の固有語彙である和語が多大な影響を受けているのである。本プロジェクトでは実際の訓点資料で模倣形式(漢文の語彙や語法を模倣して造られた日本語)を調査していくことで、漢文訓読の影響は、和語の意味と語構成を大きく変貌させていることを明らかにした。そして、通言語学的に見て、漢字の表語性から生まれた漢文訓読特有の模倣形式もあることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの日中言語接触の研究は主に借用語(漢語)と音韻的影響(漢字音)に着目したが、本研究で明らかにしたように、漢文訓読というプロセスを経て、日本語の固有の語彙である和語も漢字・漢文から多大な影響を受けているのである。他言語形式の模倣は言語接触において一般に見られる現象であるが、漢文訓読で見られる模倣形式にはヨーロッパの言語では見られないようなものもあり、これらの形式の発生には漢字という言語接触の媒体が大きく影響していると考えられる。これまでの言語接触研究では接触の媒体があまり重視されない傾向にあったが、本研究の成果により、接触の媒体が借用の在り方を大きく変貌させうることを明らかにした。
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