研究課題/領域番号 |
16K21020
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
地域研究
ヨーロッパ史・アメリカ史
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
鈴木 健太 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 研究員 (00749062)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | ユーゴスラヴィア / 民族 / ナショナリズム / 多民族 / 現代史 / 社会主義 / 連邦 / 1989年 / ボスニア・ヘルツェゴヴィナ / 大衆 / セルビア / ヴォイヴォディナ / スロヴェニア / 西洋史 |
研究成果の概要 |
本研究では、20世紀の社会主義ユーゴスラヴィア(1945-1991年)をとり上げ、多民族的な社会におけるナショナリズムの機能を再検討し、その新たな視座の探究を試みた。具体的には、(1)多民族社会の形成と実践はナショナリズムの是認を前提としたこと、(2)ナショナリズムの政治的レトリックとしての作用、(3)統一的なユーゴスラヴィア主義とナショナリズムの相互関係、(4)多民族社会の崩壊とナショナリズムの急進化の様相を明らかにした。これにより、多民族国家の形成から実践、そして崩壊のいずれの局面にも結びついたナショナリズムの両義的な側面を捉え、国家の存続時代を通してその動態を理解する視点を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
社会主義ユーゴスラヴィアのナショナリズムは、従来の研究では、最終的な国家解体やその後の戦争に対する着目から、連邦国家の統合を危うくする原理や現象として考えられることが多い。本研究は、解体過程に議論を留めるのではなく、国家の形成からの連続性のなかでナショナリズムの機能を検討した。これにより、統一国家の前提であり、同時に国家の崩壊因子でもあったナショナリズムの両義的な側面を捉え、国家の存続時代を通してその動態を示すことができた。またそうした歴史研究に基づく成果から、現代のナショナリズムをめぐる諸問題の多面的な理解や議論の豊潤化に向けて、他地域とも比較可能な視座を提示することができたと考える。
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