研究課題/領域番号 |
16K21075
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
食生活学
食品科学
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
北口 公司 岐阜大学, 応用生物科学部, 助教 (50508372)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 食物繊維 / 炎症 / 腸管免疫 / マクロファージ / 短鎖脂肪酸 / ペクチン / 遅延型過敏症 / 接触性皮膚炎 / 大腸炎 / パイエル板 |
研究成果の概要 |
食物繊維の摂取が炎症性疾患発症のリスクを低下させること示唆されている。この抗炎症作用の一部は腸内細菌を介していることが判明しているが,水溶性食物繊維の一種であるペクチンは,直接宿主細胞に働きかけ,炎症応答を調節する可能性が示唆されている。しかしながら,その作用機構は不明である。TLR刺激RAW264.7細胞からのIL-6産生がペクチンの添加で抑制され,この抑制は主鎖分解ペクチンでも維持されていることを発見した。さらに,ペクチン投与マウスでは,LPS誘導性の炎症応答が減弱化し,パイエル板の炎症性サイトカイン発現量も低下した。以上より,ペクチン側鎖がTLRシグナルを抑制している可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年,生活習慣病のみならず,がんや神経変性疾患などの 基盤病態として,免疫系細胞の過剰な活性化と慢性的な炎症応答の持続が指摘されている。本研究成果より,ペクチンを摂取することで,腸管免疫系を介して過剰な免疫細胞の活性化や炎症を制御でき,炎症が関与する様々な慢性疾患や生活習慣病の予防や治療に応用できる可能性が示された。また本研究により,ペクチン分子内の抗炎症活性の発現に必要な化学構造が推定できた。この活性成分のみを濃縮・添加することにより,少量の摂取で充分にペクチンの抗炎症機能を発揮できる新たな機能性食品を創出できる可能性が考えられる。
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