研究課題/領域番号 |
16K21162
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
経済政策
理論経済学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
伊藤 高弘 神戸大学, 国際協力研究科, 准教授 (20547054)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2016年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 社会的選好 / 利他性 / 互恵性 / 市場機構 / 市場取引 / フィールド実験 / 南アジア / 社会関係資本 / 市場の浸透度 / 紛争 / 内生的選好 |
研究成果の概要 |
本研究課題における研究成果は主に以下の二点である。一つ目は、電気や水道などの基礎的な生活インフラの存在しないネパール山岳村からクラスター無作為抽出によって選ばれた45村における2,500を超える全世帯に対して実施された独裁者ゲームなどの経済実験調査を通じて、大規模データを構築・整理したことである。二つ目は、このデータを用いて、あるいはそれに付随する調査から得られたデータを通じて、三本の異なる研究を実施したことである。そのうち一つは、本研究課題の主要テーマである市場機構と社会的選好の形成との関係に関する研究であり、推計上の様々な問題を一つずつクリアし、現在は論文としてまとめる最終段階にある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題の社会的意義は、市場機構と利他性や互恵性などの社会的選好との関係を明らかにするという、研究の目的それ自体にあると考える。もし仮に、市場機構の浸透が人びとの間の利他性や互恵性を礎とする社会的紐帯を毀損する可能性があるとすれば、経済開発とりわけ市場機構の浸透が、短期的にコミュニティにもたらしうる潜在的な負の影響を予測し、それに対して対処することが可能となるかもしれない。また、学術的意義としては、基礎的な生活インフラの存在しないネパール山岳村における大規模データの構築、またそれを用いた定量的分析が挙げられる。本研究と同等の規模のデータを用いた先行研究はなく、学術的意義は大きいと考える。
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