研究課題
若手研究(B)
我々は、新生仔豚を用いて、低酸素性虚血性脳症(HIE)発症時の全身の臓器障害に関する研究を行っている。本研究で、HIE発症時には脳だけでなく肝障害も併発していることを突き止め、さらに全身低体温治療によりこの肝障害が軽減されることを発見し、Neonatology(2017;111:203-210)で報告した。またHIE発症時には腎の線維化が起きることを病理学的に証明し、さらに追加の研究により、この腎障害は低体温治療では予防し得ない新しい結果を得た。これらの結果は新生児低酸素性虚血性脳症患児の管理に貢献するものと考えている。
新生児期の低酸素性虚血性脳症発症時には脳自体の障害だけでなく、同時に多臓器、特に肝臓、腎臓にも障害を来たすことを病理学的に証明した。また低体温治療は、肝障害予防には効果的に作用することが分かったが、一方、腎障害予防には繋がらない可能性が示唆された。このことは新生児医療における低酸素性虚血性脳症児の管理の発展に寄与するものと考えられる。
すべて 2017
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)
Neonatology
巻: 111 号: 3 ページ: 203-210
10.1159/000450721