研究課題
若手研究(B)
我々はパーキンソン病やアルツハイマー病を含む8つの神経変性疾患患者156例を対象に血清インスリン様成長因子(IGF-1)値と臨床症候との関連を調査した.結果,各疾患において血清IGF-1値に有意差はみられなかった.パーキンソン病患者では血清IGF-1値は年齢および日常生活動作の障害と負の相関を示し,線条体におけるドパミントランスポータースキャンの集積および前頭葉機能と正の相関を示した.またアルツハイマー病患者では血清IGF-1値は年齢,罹病期間,日常生活動作の障害と負の相関を示した.本研究により神経変性疾患における血清IGF-1値の測定が疾患進行の評価に有用である可能性が示唆された.
インスリン様成長因子(IGF-1)は脳の成長,可塑性や生存に関与する.過去の報告では血清IGF-1値はパーキンソン病,多系統萎縮症やアルツハイマー病などの神経変性疾患で変化することから,神経変性疾患の病態への関与が示唆されている.しかし今まで様々な神経変性疾患を対象に血清IGF-1値と臨床背景因子を検討した研究はなかった.我々は今回初めて,8つの異なる神経変性疾患患者156例を対象にした横断研究を行い,血清IGF-1値と臨床徴候との関連を評価した.この結果により,血清IGF-1値がこれらの神経変性疾患の疾患進行マーカ―となる可能性に関して考察した.
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