研究課題/領域番号 |
16K21328
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
神経解剖学・神経病理学
環境生理学(含体力医学・栄養生理学)
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
柳下 聡介 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 疾病研究第五部, 室長 (30585592)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2016年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | タウ / アルツハイマー病 / 神経活動 / 睡眠時無呼吸症候群 / 間欠的低酸素負荷 / タウオパチー / 間欠的低酸素 / PICK1 |
研究成果の概要 |
微小管結合タンパク質タウは,過剰なリン酸化を受けると凝集し,神経原線維変化を形成する。神経原線維変化は,正常な加齢に伴って嗅内皮質や海馬に出現し,アルツハイマー病では,その出現部位が大脳皮質など広範囲に広がるが,それが出現するメカニズムは不明である。本研究では,まず,リン酸化タウが生理的条件下でどのように調節されているか解析した。その結果,神経活動に伴って増減することが分かり,神経活動依存的な遺伝子発現の程度に比例して変化することを初めて明らかにした。次に,リン酸化タウが持続的な増加した状態を作り出したところ,蓄積の前段階と考えられる界面活性剤不溶性タウが増加する傾向を認めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
リン酸化タウの蓄積は正常な加齢でも見られ,神経細胞を長年使った結果と捉えることもできる。本研究では,リン酸化タウが増減する仕組みを理解し,神経細胞に生来備わった性質の解明を目指したものである。これは脳の加齢の実態を知り,認知症との境界を理解することである。その結果,従来の定説とは異なり,リン酸化タウは神経活動に伴って普段から増減し,神経活動量が変わることでリン酸化タウが増加した状態が持続することが分かった。そしてその状態が持続すると,蓄積の前段階と考えられるタウが増加する可能性を見出した。このような状態が特定の範囲を超えて広範囲で起きているのが認知症という新たな捉え方を提案するものである。
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