研究課題
若手研究(B)
子宮体部腫瘍の中でも子宮肉腫は稀少性・多様性を併せ持つ腫瘍であり、その発生病態は不明な点が多く、化学療法奏効率が低く予後不良な疾患である。そこで遺伝子パネル検査を行い、肉腫においての分子プロファイリングを検証し、治療ターゲットとなりうる遺伝情報検討することとした。遺伝子パネル検査とは、「次世代」と呼ばれるシークエンサーを用いて一度に約500種類の遺伝子の変異を網羅的に解析できる検査法である。見つかった変異が臨床的に 意義のあるものなのかを知識データベースで選別したところ、子宮肉腫にもPARP 阻害薬のようなDNA障害修復経路を標的とした治療法が効果を発する可能性があることが示唆された。
子宮肉腫は稀少であり、その病理病態が未解明な腫瘍である。治療法は確立されておらず、予後も不良である。肉腫の診断及び新規治療の開発に関して、治療法の開発は急務である。全エクソンシークエンス・全ゲノムシークエンス・RNA-Seq等を個別の症例において適宜行うことにより、ドライバー変異や治療標的になりうる体細胞変異の検索を行うことが可能である。個々の症例の蓄積が、稀少疾患に最適なクリニカルシークエンス検査の構築や新規治療の開発につながる。その導入としての今回の研究は学術的、および社会的にも有意義であると考えられる。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)
Biochem Biophys Res Commun
巻: in press 号: 2 ページ: 30555-8
10.1016/j.bbrc.2019.03.155
Oncology Letters
巻: 16 ページ: 6195-6201
10.3892/ol.2018.9340