研究課題/領域番号 |
16K21364
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
実験心理学
神経生理学・神経科学一般
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研究機関 | 早稲田大学 (2017-2018) 慶應義塾大学 (2016) |
研究代表者 |
神前 裕 早稲田大学, 文学学術院, 准教授 (80738469)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2016年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 連合学習 / 薬物依存 / 随伴性学習 / 習慣形成 / パヴロフ型条件づけ / 条件性場所選好 / 刺激間競合 / 相反過程理論 / 連合学習理論 / 随伴性 / 神経科学 / 時間 / 依存薬物 |
研究成果の概要 |
動物が様々な事象間の関係性を学習する際、それらの時空間的接近性に依存した学習と、随伴性(相関)を反映した学習が生じ、これらは異なる神経基盤を持つと考えられる。本研究はこの2種類の学習の基礎的な生成原理を検証した。マウスにおいてメタンフェタミンの慢性投与が随伴性学習を阻害することを道具的条件づけ事態において示した。またメタンフェタミンと環境刺激との条件づけにおいて、文脈手がかりと局所的な匂い手がかりの間に学習の隠蔽が生じないこと、したがって同薬物が接近性依存の学習を促進する可能性を示した。これらの結果はメタンフェタミンのような濫用薬物が動物の随伴性学習を阻害し、接近性に依存させることを示唆する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
複数事象間の関連性を学習する連合学習の根本原理を解明することは、ヒトを含む動物の適応的な認知・行動を解明する上で必須である。本研究では接近性に基づく学習と、情報としてもう一段階複雑な計算が要求される随伴性知覚に基づく学習の形成要因について実験的検討を行い、濫用薬物が後者を阻害することを明らかにした。随伴生学習はうつ病や統合失調症、薬物依存、自閉スペクトラム症など多くの精神疾患・発達障害において異常が見られ、その解明は連合学習の根本原理の解明のみならず、その異常の機序を理解する上でも重要である。本研究ではマウスを用いた基礎的な行動薬理実験を通じて、このメカニズムの一旦を明らかにすることができた。
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