研究課題/領域番号 |
16K21405
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
哲学・倫理学
衛生学・公衆衛生学
|
研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
岩崎 大 東洋大学, 東洋学研究所, 客員研究員 (80706565)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
|
配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
|
キーワード | 自殺 / 自殺予防 / 実存思想 / 死生学 / 死生観 / 死 / デス・エデュケーション / 不条理 / 限界状況 / 哲学 / 臨床 / 苦悩 |
研究成果の概要 |
現代社会に顕在化した生と死に関する諸課題のひとつとして、本研究では自殺予防をとりあげ、従来の精神医学や社会学的アプローチとは異なる、哲学による実践の可能性を示した。実存思想の哲学から、自殺者念慮者の苦悩を、生の本質的な苦悩の顕現と解釈し、苦悩の解消を目的とするのではなく、苦悩を伴いつつ生の本質をそれとして自覚し、それに応じることで獲得できる自己充実こそが、結果として自殺予防や生の空虚感の解消につながる実践となる。これを実現させるためには、生と死の体験と適切なコミュニケーションによる死生観形成を日常や教育に組み込む必要性があることがわかった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
自殺予防という社会問題を解決するための哲学的実践は、人生において苦悩が本質的であり、解消できることではないという自覚からはじまるという知見は、従来のメンタルヘルスや社会制度的なアプローチにある、相手への配慮ゆえに生じる自殺念慮者とのコミュニケーションの齟齬を克服し、前提のない生と死の思考を促すコミュニケーションの必要性を示すものである。そしてその実現は、体験や語りによって蓄積される死生観形成による、生の充実によってもたらされるものであり、これは自殺予防の実現に留まらず、現代人全体の生の充実や肯定を導きうるものである。
|