研究課題/領域番号 |
16K21429
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
ヨーロッパ史・アメリカ史
史学一般
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
武田 和久 明治大学, 政治経済学部, 専任講師 (30631626)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | スペイン / 軍事組織 / ラプラタ地域 / イエズス会 / グアラニ先住民 |
研究成果の概要 |
次の三点が成果である。(1)近世スペイン軍の基本陣形テルシオが、イエズス会士が南米ラプラタ地域に建設した布教区(レドゥクシオン)で暮らしていたグアラニ先住民に伝授されていたこと。(2)布教区に対するポルトガル人主体の奴隷狩り部隊の襲撃に対抗すべく、ラプラタ地域のイエズス会士たちは、グアラニに対する軍事訓練や布教区の防備に加えて、火器を含む軍事物資を確保し、布教区の防衛力を高めたこと。(3)軍事訓練を始めとするヨーロッパ・キリスト教文化に根ざした制度や価値観が、キリスト教界への「平和的な統合」の実現に欠かせないとして、イエズス会士からグアラニに対して強化実践されていたこと。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「宗教が歴史的には軍事、暴力、強制といった問題と浅からぬ関係性を持ってきた」ことを具体的に解明したことが本研究の学術・社会的な意義である。グアラニのキリスト教化に対するイエズス会士の関与は極めて大きい。この目的の実現のために、グアラニは、規律の植えつけや防衛という理由により定期的に実施されたスペイン方式の軍事訓練への参加義務を負った。もちろんこれは、ポルトガル人からの頻繁な襲撃という状況下でイエズス会士がとった苦肉の策ではあったものの、軍事的な事柄が「文化」としてもてはやされ高い評価を受ける対象となっていた近世ヨーロッパという時代の風土も加味したうえで理解されるべきである。
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