研究課題/領域番号 |
16K21494
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
美術史
中国哲学・印度哲学・仏教学
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
西谷 功 龍谷大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (80773928)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 宋代仏教 / 鎌倉仏教 / 仏教儀礼 / 僧院生活 / 礼讃文 / 泉涌寺 / 涅槃図 / 羅漢図・羅漢像 / 美術史 / 仏教学 / 南宋仏教 / 宋式儀礼 / 寺院生活 / 仏牙舎利 / 儀礼 / 金光明懺法 / 諸天 / 出山釈迦 / 草坐釈迦 / 自恣 / 日本史 / 東洋史 |
研究成果の概要 |
本研究は、鎌倉時代の寺院社会で受容された宋代仏教儀礼の検討を通し、現在失われた儀礼の復元的考察、さらに特定の宋仏画の流行とそれを模した宋風仏像や仏画が制作される背景を検討した。 従来唐物趣味・文人趣味の鑑賞用とされた釈迦像(草座・出山)・羅漢図をはじめ、祖師像・諸天像・涅槃図などの流行は、寺院内で実践される宋式の月課年課行事(自恣、布薩、成道、祖師忌、修正会など)の興行にともなうこと、各寺院がその諸儀礼を模倣することで制作されること、つまり仏像・仏画の制作背景には仏道実践があることをあきらかにした。 これにより、東アジア的視座からの鎌倉仏教の見直しという新たな視点を提示することが可能となる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来、東アジア的視座からの鎌倉仏教の評価としては、禅僧による禅思想・文化の請来が強調されていたが、その内実は宋代の諸宗で広く共有されたものであることを指摘し、入宋僧請来の思想・文化による鎌倉期の戒律復興運動や宋風文化受容の再検討をうながした。広く共有される宋代仏教=禅仏教史観により捨象された思想・文化・美術の再発見を導いた。かかる成果として、『南宋・鎌倉仏教文化史論』を刊行した。 また、本研究成果は、展覧会への参与(泉涌寺宝物館諸展示、「お釈迦さんワールド展」龍谷ミュージアムなど)や大学・博物館公開講座で公開することで、市民生活の文化的発展に寄与するものと考える。
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