研究課題/領域番号 |
16K21497
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
中国哲学・印度哲学・仏教学
日本史
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
大谷 由香 龍谷大学, 文学部, 准教授 (50727881)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 戒律 / 日本仏教 / 南山宗 / 律宗 / 泉涌寺 / 対外交流 / 行基 / 日宋交流 / 戒律復興 / 国際交流 / 俊ジョウ / 太賢 / 古迹記 / 三観 / 南宋 / 守一 / 妙蓮 / 凝然 / 通受 / 円戒 / 日中思想交流 / 円頓戒 |
研究成果の概要 |
鎌倉期における日宋間における頻繁な交流が、両国の戒律学に多大な影響を与えていたことが明らかとなった。このことは長らく「仏教東漸」と言われてきた歴史観を覆すものである。少なくとも東アジア仏教界においては、各地域の僧侶がコミュニケーションの場を求め、相互に意見交換し、それぞれの地域仏教の教学形成にその情報を役立てていた。他の文化事象についても同様の視点を考慮する必要があるだろう。 また南都においては、鎌倉期に流入した新しい生活基準は、すでに奈良時代に実現されていたと認識されており、戒律復興はそのまま「かつての日本仏教」の復興事業と重なる。鎌倉期の南都をとらえる新視座を提供できたと考えている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
鎌倉期の日本仏教は、宋国の影響を多大に受けており、それは一定の「宗旨」に偏るものではないことが明らかになった。宋国仏教の情報は宗旨を超えて共有された。例えば布薩は、泉涌寺俊ジョウが紹介した宋国で実践されていた儀礼を参考として、南都で鑑真来朝以来の儀礼として復興されることとなる。2021年2月15日には再び唐招提寺で布薩行事が復興されたが、この時も申請者が紹介した泉涌寺に伝わる儀礼作法と唐招提寺に伝わる儀礼作法とが比較参照されている。 こうした時代の特色は、同時代に花開いた「鎌倉新仏教」もまた、当初は地域や宗旨に固定されず、同時代の僧侶間の融合的な関係のなかで誕生した可能性を示唆する。
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