研究課題/領域番号 |
16K21532
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
神経生理学・神経科学一般
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
橋川 成美 (芳原成美) 岡山理科大学, 理学部, 准教授 (30511159)
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研究協力者 |
橋川 直也
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | PTSD / 恐怖記憶 / マウス / CGRP / ドパミン / Npas4 / Arc / γアミノ酪酸 / 神経科学 |
研究成果の概要 |
心的外傷後ストレス障害(PTSD)はショック体験後時間が経過しても、ある条件下により強い恐怖を感じることをいう。本研究はマウスを用いてPTSDに対する治療法としてCGRPの投与が有効ではないかと考え実験を行なった。CGRPは分子量が小さく体内で様々な生理作用を行なっている。その結果、CGRP投与によりマウスが恐怖を覚えなくなることを明らかにした。この理由は脳のドパミン神経系による変化によるものではないかと考えたが、直接的なものではなく、二次的なものであることが示唆された。そこで他の遺伝子群を調べたところ、Npas4とArcの増加が見られた。今後は、これらの遺伝子の変化について研究を進めていく。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我が国は自然災害が多く、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の患者が増えつつある。東日本大震災発生から半年後の調査結果によるとPTSDに該当する患者が15%であり、一般的には生涯有病率が9%であることを考えると重要な社会問題である。PTSDにおける唯一の薬物療法はセロトニン選択的再取り込み阻害剤であるが、この薬物に対する治療効果は相対的に小さく、新たな治療薬開発が求められている。本研究ではCGRPをマウスに脳室内投与することにより、恐怖記憶の保持を抑制することが明らかとなった。今後はCGRPがどのようにして恐怖記憶に関与するかを明らかにし、新たな創薬ターゲットとなることを目的とする。
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