研究課題/領域番号 |
16K21597
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
木質科学
森林科学
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研究機関 | 国立研究開発法人森林研究・整備機構 |
研究代表者 |
神原 広平 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (60727577)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2016年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | シロアリ / アクアポリン / 水代謝 |
研究成果の概要 |
細胞の水の通り道を形成するタンパク質アクアポリンに着目し、シロアリの水代謝システムの解明を試みた。2種のシロアリから新たにアクアポリン遺伝子を獲得し、そのうちイエシロアリでは唾液腺に2タイプのアクアポリンが共発現することを明らかにした。唾液腺を低張液や高張液に浸漬すると速やかに膨潤収縮したことから、これらのアクアポリンは水透過の役割を担うと考えられた。また、銅や亜鉛の存在下では膨潤収縮が認められず、水透過能が金属イオンで阻害される可能性が示唆された。RNA干渉法でアクアポリンの機能を阻害したところ職蟻の排泄に変調が生じたことから、シロアリアクアポリンは消化排泄系に寄与すると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
シロアリは木造建築物の多い日本では深刻な経済的被害をもたらす木材害虫である。日本で注意すべき代表的なシロアリ種にイエシロアリがいるが、本種の生活は水に依存し生活環境中の水を効率よく代謝・利用していると考えられている。本研究では細胞の水の通り道を形成するタンパク質であるアクアポリンを獲得し、イエシロアリの唾液腺では異なる2タイプのアクアポリンが共発現することを明らかにした。また、機能阻害による水代謝異常の誘引を示唆する結果を得たことから、アクアポリンを新たな標的分子にした個体の致死や社会生活の破綻を狙った防蟻薬剤の開発に資する成果であると考えられる。
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