研究課題
若手研究(B)
当研究分野で確立したヒト胃がん細胞株85As2細胞を用いてマウス皮下に移植することにより、ヒトと同様のがん悪液質症状を発症するモデルの作製に成功した。同モデルを用いて、がん悪液質における心機能評価と、心機能改善を目指した新規治療法の探索を行った。本研究により、85As2細胞を移植したがん悪液質モデルマウスは、心筋重量の低下とともに心機能障害を伴っていることが明らかとなった。組織学的、生化学的解析より、心機能障害は骨格筋委縮とは異なる経路で起こっている可能性が示唆され、今後さらに検討が必要と思われた。
がんサバイバーの増加とともに、今まで顕在化していなかったがんサバイバーのQOLと心疾患についての関連性が近年指摘されている。がんサバイバーのフォローアップも含めた循環器系動態の把握、ならびにがん治療の有効性とがん治療に伴って起こる心機能障害を予防するために腫瘍循環器学という新しい学際領域が誕生した。本研究課題はこの腫瘍循環器学領域での研究の先駆けとなるものであり、がん悪液質によって心機能障害が起こること、さらにそのメカニズムの一端を明らかにすることができた。今後はがん悪液質で起こる心機能障害に対する予防薬や治療法についても詳細な検討を行っていきたいと考えている。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (23件) (うち国際学会 5件)
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