研究課題/領域番号 |
16K21700
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
気象・海洋物理・陸水学
環境動態解析
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研究機関 | 東京大学 (2017-2018) 国立研究開発法人海洋研究開発機構 (2016) |
研究代表者 |
川口 悠介 東京大学, 大気海洋研究所, 助教 (00554114)
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研究協力者 |
西野 茂人
藤原 周
伊東 素代
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2018年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 北極海 / 慣性振動 / 内部重力波 / 海水 / 乱流混合 / エネルギー散逸 / ウェーブレット / 海氷 / 北極海・チャクチ海台 / 近慣性内部重力波 / エネルギーカスケード / 渦ー波ー乱流の相互作用効果 / 海氷減少 / 地球温暖化 / 海洋物理 / 海洋乱流 / 気候変動 |
研究成果の概要 |
本研究では、北極海における海氷変動と海洋内部の乱流混合エネルギーについて実態を解明すべく、船舶や係留系を用いた観測を執り行った。海氷が著しく後退する西部北極海に設置した係留系のデータを解析した結果、元来、海洋の乱流エネルギーが小さいと考えられている海域であるにもかかわらず、顕著な内部波や混合エネルギーの存在が確認された。これは、海氷後退の結果、大気と海洋間で熱や運動量の交換が拡大していることに起因する。この変化は、海氷が比較的少ない初夏や結氷初期に、海氷が風に対して敏感に応答することで、海洋上層に同じ周期の波動が発生し、下方伝搬した結果と考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
上述のように、地球温暖化の影響で海氷が著しく減少し続ける北極海において、海洋が大気に接する時間が増加することは自明である。変化が著しい北極海において、海洋がこの変化にどのように応答しているのか?と言う問いに対して、係留系を用いた直接的な海氷や海洋流速の現場観測を執り行い、通年におよぶ貴重な実測データを取得した。その詳細なデータ解析から、北極海の海洋では、地球温暖化に端を発した海氷減少の影響がすでに中・深層にまでおよび始めていることを提示できた点は、学術コミュニティのみならず社会全体に与える影響力は決して小さくないと考える。
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