研究課題/領域番号 |
16K21741
|
研究種目 |
国際共同研究加速基金(帰国発展研究)
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
経済政策
|
研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
森田 穂高 一橋大学, 経済研究所, 教授 (00791956)
|
研究分担者 |
神林 龍 一橋大学, 経済研究所, 教授 (40326004)
都留 康 一橋大学, その他部局等, 名誉教授 (00155441)
石川 城太 学習院大学, 国際社会科学部, 教授 (80240761)
伊藤 秀史 早稲田大学, 商学学術院(経営管理研究科), 教授 (80203165)
Tang Cheng・Tao 国際大学, 国際関係学研究科, 講師(移行) (00799330)
佐藤 進 一橋大学, 経済研究所, 講師 (40876710)
小谷 浩示 高知工科大学, 経済・マネジメント学群, 教授 (80422583)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
56,290千円 (直接経費: 43,300千円、間接経費: 12,990千円)
|
キーワード | 企業間競争 / 企業の理論 / 内部労働市場 / 人的資本 / 実験分析 |
研究実績の概要 |
産業組織論の主要テーマである企業間競争と企業の境界に関して、新たな視点から分析することが本研究の課題である。令和4年度は、長引く新型コロナの影響による遅れが避けられなかったものの、目的達成に向けての分析が進み,成果の取りまとめが進んだ。森田(研究代表者)が佐藤(研究分担者)および研究協力者であるGhosh(UNSW)と共同で進める製品市場と労働市場の相互連関分析に関しては、特定モデルを用いることのない一般的なモデル分析が進んだ。比較静学分析については、企業の労働市場における市場支配力だけでなく製品市場のそれについても一般性を損なうことなく分析が可能であることがわかり、分析が進んだ。さらに、モデル分析結果の競争政策への含意についても検討が進んだ。また、労働者が職場を選択する意思決定も離散選択モデルを用いて分析する研究が主流であることを踏まえ、労働者の行動を離散選択として分析する考えかたをモデルに取り入れることができた。一方、Ghoshの一橋大学招聘中に、個人の利他性と企業における意思決定権限の移譲との間の関係を企業が製品市場においてあげる利益との関連のもとに分析することの新規性と重要性が明らかとなり、その方向での理論分析が進んだ。また、多国籍企業の移転価格に関する意思決定と国の境界を跨る技術ライセンシング戦略に関して、国際寡占モデルにおける分析が石川(研究分担者)を中心に進み、査読付き国際学術雑誌に公刊された。一方、アイデンティティが企業組織において果たす役割に関する実験結果を踏まえて書き進めた論文については、査読付き国際学術雑誌への投稿に向けた準備が最終段階まで進んだ。また、この論文を推進する過程で生まれた企業の境界と従業員の公平感の関係に関する研究につき、実験デザインを完成させた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者と研究分担者が協力しつつ、各自の担当分野において、研究分析を進めるとともに、成果物の査読付き国際学術誌への投稿に向けた準備と掲載が進んだ。しかし、新型コロナウイルス拡散の影響により、海外からの研究者招聘による研究推進、海外研究機関を訪問しての共同研究推進および成果の論文としての書き込みと完成にやや遅れが生じることは避けられなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
製品市場と労働市場の相互連関分析に関しては、一般的なモデルを用い、労働市場だけでなく製品市場の支配力の影響をより総合的に分析して競争政策含意につなげる論文を完成させ、査読付き国際学術雑誌に投稿する。このモデルを企業の部分的結合に応用する論文についても完成させて査読付き国際学術雑誌に投稿する。さらに、個人の利他性と企業における意思決定権限の移譲との間の関係を企業が製品市場においてあげる利益との関連のもとに分析する論文については、ワーキングペーパーとして公開できるレベルまで論文の書き込みを進める。また、アイデンティティが企業組織において果たす役割に関する実験結果を踏まえて書き進めた論文については、完成させて査読付き国際学術雑誌に投稿する。さらに、企業の境界と従業員の公平感の関係に関する研究につき、完成させた実験デザインをもとに実験を行い、結果の分析を進める。これら論文の書き込みや仕上げなどに際して、研究協力者であるGhosh(UNSW)とServatka(Macquarie Univ.) を招聘し、また、これら研究協力者を森田、佐藤などが訪問してより有効な共同研究の推進を行う。
|