研究課題/領域番号 |
16K21747
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(帰国発展研究)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
分子生物学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
北川 克己 大阪大学, 生命機能研究科, 招聘教授 (20796544)
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研究期間 (年度) |
2018 – 2020
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
56,160千円 (直接経費: 43,200千円、間接経費: 12,960千円)
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キーワード | セントロメア / ヒストン / 染色体安定性 / DNA損傷 / DNA二重鎖切断 / 放射線感受性 / クロマチン / 染色体分配 / DNA損傷修復 / CENP-A / ヌクレオソーム |
研究成果の概要 |
染色体DNA二重鎖切断が生じた際に活性化されるDNA損傷応答におけるセントロメア蛋白CENP-Aの働きを分子レベルで解明するため、HeLa細胞等のヒト培養細胞を用いて細胞生物学的なCENP-Aの機能解析を行った。CENP-AはDNA二重鎖切断部位に局在したが、他のDNA損傷部位にはしなかった。CENP-Aの発現量が増えたときには、細胞の放射線への感受性が下がり、CENP-Aの発現量が減ったときには、細胞の放射線への感受性が上がった。また、DNA二重鎖切断時特異的に、CENP-Aに結合する蛋白質の同定に成功した。また、スピンドルチェックポイント因子BUB1もDNA二重鎖切断部位に局在した。これらの結果はDNA二重鎖切断時におけるCENP-Aのスピンドルチェックポイントの活性化をする役割を示唆する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
環境因子である放射線、重金属、大気汚染と変異誘導化合物の細胞への曝露はDNA二重鎖切断や他のDNA欠損を引き起こす。このような環境によって引き起こされたDNA欠損は保存されたDNA損傷反応機構によって修復される。DNA損傷反応機構に問題があると、DNAは修復されず、ガンや発達障害などの重篤な健康障害が引き起こされる。DNA二重鎖切断時におけるCENP-Aのスピンドルチェックポイントの活性化をする役割を示唆する我々の結果はこの分子機構の解明に貢献する。
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