研究課題/領域番号 |
16KK0044
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
美術史
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
林 則仁 龍谷大学, 国際学部, 准教授 (20738215)
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研究期間 (年度) |
2017 – 2022
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
11,830千円 (直接経費: 9,100千円、間接経費: 2,730千円)
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キーワード | イスラーム美術史 / 写本絵画 / イスラーム写本絵画 / イスラーム美術 / 模倣の伝統 / 絵画表現 / 美術史 |
研究成果の概要 |
一つの著作の複写本における絵画の伝統において、模倣の伝統を分析することによっていくつかの成果を得ることができた。カズウィーニー著『被造物の驚異』の13世紀から18世紀までに制作された挿絵入り写本計36点(一部は不完全に現存)を現物調査し、挿絵が挿入される項目(挿絵サイクル)の特質を明らかにした。また、模倣の伝統において複数の系統が存在し、それらが同時に複雑なつながりを示していることを体系的に実証した。一方で、同一著作ではなく、複数の著作にまたがって登場する特定の人物の絵画表現にも模倣の伝統がみられるのかという点にも着目し、その研究対象として<Ujウージュ>を取り上げて分析を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在まで同様の研究を行っている研究者はおらず、イスラーム美術史研究のなかで新たなトピックを形成するチャンスにもつながった。また、イスラーム美術史の研究は欧米の研究者たちによってリードされてきたが、アジアの研究者による西洋美術史的視点から脱した新たな研究基礎が確立されていくことも望まれているなか、我が国の研究者によって本研究が遂行される意義も将来的には少なからず大きい。本研究には共同研究者をはじめ、関連する分野の研究者との連携が必要不可欠となっているが、国外での12ヶ月の研究期間で遂行できることは限られており、その後の継続的な国際的研究上の連携が本研究の成果をさらに発展させることとなる。
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