研究課題/領域番号 |
16KK0056
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
教育心理学
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
小松 孝至 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (60324886)
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研究期間 (年度) |
2017 – 2022
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
9,490千円 (直接経費: 7,300千円、間接経費: 2,190千円)
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キーワード | 発達心理学 / 文化心理学 / 意味構成 / 自己 / 弁証法 / 記号的媒介 / モデル構築 / 社会・文化的アプローチ / 記号論 |
研究成果の概要 |
文化心理学の記号論的アプローチに基づいて子どもの自己を捉えるために研究代表者が提示したPresentational selfの概念(Komatsu, 2010)について,Jaan Valsiner教授(デンマーク,オールボー大学)とともに理論的に精緻化し,相互作用における意味構成と自己の生成に着目した理論モデル(理解の枠組み)を生成した。これは関係志向的に,解釈者としての観察者を含めて意味構成のプロセスを捉えるものである。また,当モデルの実証的基盤である子どもの意味生成と自己のあらわれについて,生活の中の多重的な弁証法的緊張関係に基づくこと,また,制度的文脈(学校教育)との関連を考察した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
子どもたちを含めて,私たちは常に過去を意味づけ,未来を予測しつつ生きている。そしてその過程ではことばが重要な役割を果たしている。この過程は「意味構成」として捉え得ると同時に「自己」が明確化するプロセスと考えることができる。これは,心理学上の問いとしても重要な観点であるが,十分な理論的整理がなされてこなかった。本研究は,子どもの保育での経験をめぐる幼児と母親の会話や,児童が小学校での指導の下で書いた日記などを題材としながら,意味構成と自己のあらわれを捉える理論的なモデル(理解の枠組み)を作成した。このモデルは,子どもが参加するものに限らず多様な相互作用の分析に適用可能である。
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