研究課題/領域番号 |
16KK0064
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
社会心理学
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
新谷 優 法政大学, グローバル教養学部, 教授 (20511281)
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研究期間 (年度) |
2017 – 2020
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
14,040千円 (直接経費: 10,800千円、間接経費: 3,240千円)
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キーワード | 思いやり目標 / 自己イメージ目標 / 援助行動 / 文化 / 時間 / 思いやり / 援助 / 見知らぬ他者 / 非ゼロサム / 時間の捉え方 / 幸福感 / 社会心理学 |
研究成果の概要 |
本研究は,日本人がアメリカ人ほど見知らぬ他者に対して援助行動をとらないのは,他者が援助を希望しているのか確信が持てないためであること,また,相手に悪い印象を与えたくないという動機が強いためであることを明らかにした。さらに,日米両国において,他者の幸福を高めたいという動機が強い人(思いやり目標をもつ人)ほど,見知らぬ他者に対して援助をすることや,友人の援助に費やす時間が長いこと,非ゼロサム的な時間の捉え方(人のために費やす時間は自分のための時間でもあるという捉え方)をすることがわかった。なお,非ゼロサム的な時間の捉え方をする人ほど,援助に対する満足感,時間のゆとり,人生の満足感が高かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで援助行動の文化差は,国の豊かさや内集団を大事にする度合いなど,国レベルの変数で説明されてきたが,本研究では個々人の状況の捉え方の文化差によって説明したところが学術的な貢献である。また,対人場面における個人の目標が援助行動に関係していることがわかったが,目標は変化しやすく,個人の心がけによってある程度コントロールできる。近頃は,目の不自由な人のホーム転落事故や,乳幼児の虐待事件など,他者から少しの援助があれば助かる命が失われている。援助を必要とする人が援助を要請するとは限らない。援助の要請がない状況において,援助行動を増やすための施策につなげることが期待できる。
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