研究課題
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
巨大噴火は将来の発生が世界的に懸念されているが、観測事例が無いため不明点が多い。国際共同研究によってその発生プロセスやリスク評価を行うのが本研究の目的である。まず、ニュージーランドで報告された「巨大噴火同時発生イベント」と考えられる事例の検証を行ったが、同時発生ではなく100年以上の時間間隙を経て発生したイベントであることが分かった。国内でも巨大噴火の同時発生事例は見つからなかった。次に、国内外の10件以上の巨大噴火について継続時間を検討したところ、発生から十数年以内に終息したと結論できるケースは2件であり、またこれら2件は比較的小規模(噴出量10km3程度)であることが分かった。
本研究の成果により、これまで地質学的な根拠から過去の地球上で発生していたと考えられてきた巨大噴火の同時発生イベントは存在しないであろうことが示された。また、巨大噴火自体も一瞬(数時間や数日の単位)のできごとではなく、特に総噴出量が大きくなればなるほど、数十年あるいは数百年以上の長い時間をかけて断続的に発生するイベントとなる可能性を指摘することができる。これは、これまで普通に存在すると考えられてきた「超巨大噴火(噴出量100 km3以上)」の存在自体に疑問を投げかける重要な成果であり、将来の長期的な巨大噴火の予測や防災対策にも大きな意義を持つと考えられる。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 5件、 査読あり 8件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 1件)
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