研究課題/領域番号 |
16KK0095
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
気象・海洋物理・陸水学
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
安永 数明 富山大学, 学術研究部都市デザイン学系, 教授 (50421889)
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研究期間 (年度) |
2017 – 2019
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
14,300千円 (直接経費: 11,000千円、間接経費: 3,300千円)
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キーワード | 赤道波 / MJO / 対流 / 水蒸気モード / 熱帯気象 / 雲・降水 |
研究成果の概要 |
鉛直積算した水蒸気収支式の各項と,降水の関係をスペクトル空間で評価した.具体的には,それぞれの物理量と降水とのクロススペクトルを計算し,実部と虚部に着目することで,MJO,TD-Type擾乱,赤道波擾乱の維持・発達メカニズムや伝搬メカニズムの特徴の違いを明らかにした.また鉛直流を直交函数展開して主要な2つのモードを同定し,その間の位相関係を波数・周波数空間で調べることで,MJOやTD-Type擾乱,赤道波の鉛直構造の違いを明らかにした.更に,水蒸気収支式の各項の確率密度分布を比較することで,熱帯東インド洋の赤道付近の水蒸気の蓄積過程の違いに関する新たな仮説を提案した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
赤道域では,日本の位置する中緯度と違って温帯の低気圧は存在せず,雲・降水の発達は赤道波やMJOとよばれる擾乱よって大きく影響を受けている.しかし,「どのように影響を受けているか」については分かっていない.大枠での理論体系がほぼ確立している中緯度に比べて,熱帯気象学の未成熟さを表しており,本研究成果は熱帯気象学の確立のための大きな意義を持つ.また天気予報のベースとなる数値予報で用いられる数値モデルにおいて,熱帯の降水活動の再現性が低く,1週間以上という中・長期の天気予報の精度向上の足かせとなっている.このことから本研究成果は,社会的にも重要な役割を果たしている天気予報の精度向上にも貢献し得る.
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