研究課題
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
スピンの量子性を用いた磁気共鳴型量子計算機の候補デバイスである、純良なシリコン結晶へ希薄にリンをドープした試料を舞台として、量子計算に必要とされる超低温・強磁場における電子と原子核のスピンの動的性質を調べる研究を、フィンランド、韓国との国際共同研究として行った。電子スピン共鳴(ESR)および核磁気共鳴(NMR)およびそれらを組み合わせた二重磁気共鳴測定により、電子スピンとリンおよびシリコン原子核スピンが係わる現象を明らかにするとともに、希薄なリン核スピンの直接観測に(純粋な磁気共鳴では世界で初めて)成功した。
主にフィンランドで行った電子スピン共鳴(ESR)測定では電子から見た核スピンダイナミクスを詳細に明らかにした。主に日本で行った核磁気共鳴(NMR)測定では量子ビットとなる核スピンを直接観測することに成功した。これらは今後の磁気共鳴型量子計算機の実現のために必要とされる、電子スピンおよび原子核スピンを支配する物理現象の基礎的理解を進めたことに加え、NMR信号直接観測により詳しい知見が得られる可能性をひらくものである。 技術的には、高磁場・超低温域でESRとNMRの両方の測定が高感度に行える装置の開発に成功したという意義がある。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (21件) (うち国際学会 9件) 備考 (1件)
Applied Magnetic Resonance
巻: 52 号: 4 ページ: 305-315
10.1007/s00723-021-01309-2
Physical Chemistry Chemical Physics
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https://r-info.ad.u-fukui.ac.jp/Profiles/30/0002989/profile.html