研究課題/領域番号 |
16KK0110
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
機能物性化学
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
錦織 広昌 信州大学, 学術研究院工学系, 教授 (00332677)
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研究期間 (年度) |
2017 – 2019
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
15,470千円 (直接経費: 11,900千円、間接経費: 3,570千円)
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キーワード | 光触媒 / 光化学 / 酸化チタン / 色素 / 分子プローブ / 過渡分光法 / 水酸基生成 / プロトン移動 / 過渡吸収 / 光物性 |
研究成果の概要 |
酸化チタンナノ粒子の光触媒作用による自己表面修飾機構を明らかにするため、酸化チタンナノ結晶試料に分子プローブとして色素分子(フルオレセイン)を吸着させ、フェムト秒過渡吸収分光法により、酸化チタン結晶中での電荷分離過程に続く粒子表面の水酸基の酸塩基平衡を観測した。その結果、酸化チタンの光励起により、フルオレセイン色素から酸化チタン表面へのプロトン移動が観測された。酸化チタンに紫外光照射を行うと、表面に塩基性水酸基が生成するため、表面付近の水やその他のドナー分子から酸化チタン表面へのプロトン移動がおこる。この過程が酸化チタン粒子のシリカ等での自己表面修飾過程を促進させることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
酸化チタンナノ粒子に照射する光子量を変化させ、表面水酸基の生成密度を調整することで、活性点濃度の制御を行うことができる。これを利用すると、ナノ粒子表面にサブナノレベルで制御した吸着剤や助触媒等の超微粒子を生成が可能になり、高機能、高性能な光触媒の創製につながる。この精密な制御のためには、超微粒子の形成過程を明らかにすることが重要である。酸化チタンナノ粒子表面に分子プローブとして色素分子を吸着させ、フェムト秒過渡分光測定を行うという間接的な測定手法を開発し、これにより微小な挙動を高感度に観測することに成功した。結果として、超微粒子の光誘起生成過程解明という学術的にインパクトの大きい成果を得た。
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