研究課題/領域番号 |
16KK0148
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
機械材料・材料力学
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研究機関 | 熊本大学 (2018) 名古屋大学 (2016-2017) |
研究代表者 |
森田 康之 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 教授 (90380534)
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研究協力者 |
ニュー コーリー コロラド大学ボルダー校, 機械工学科, 准教授
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研究期間 (年度) |
2017 – 2018
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
13,910千円 (直接経費: 10,700千円、間接経費: 3,210千円)
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キーワード | がん / がん細胞 / 転移 / 浸潤 / 力学場 / スフェロイド / 細胞外マトリックス / 細胞核 |
研究成果の概要 |
がん組織のモデルであるがんスフェロイドは,周囲の細胞外マトリックスに,はじめは膨張場と収縮場が混在する不安定な場を形成するが,時間とともに収縮場のみを形成する.しかしその収縮の強度は場所により異なる.がんスフェロイドからの浸潤の起点は,その収縮強度の高い場所から発生するが,それだけでは浸潤を開始しない.その収縮力により,細胞外マトリックスを形成するコラーゲン線維束が効率的に集まった場所からでしか,浸潤は成長しないことを明らかにした.このように,本申請課題で開発した計測技術により,4Dでがん細胞の浸潤機序を明らかにすることに成功した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本国際共同研究によって,がんスフェロイド周辺の詳細な浸潤力学場の観察に成功した.その力学場は,単一がん細胞が三次元コラーゲンゲル中に存在するときと定性的に同じ収縮場であったが,その不均一性が顕著であった.この収縮場の不均一性とコラーゲン線維の構造変化が,浸潤の起点となり得るという,機構解明に向け興味深い結果を示せたと考えている.本申請課題で得られた結果は,がん浸潤の力学的要因の一端を明らかにし,がん転移の抑制・制御を目指す創薬分野において,非常に有用な結果である.
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