研究課題/領域番号 |
16KK0177
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
腫瘍生物学
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研究機関 | 金沢医科大学 (2018) 東北大学 (2016-2017) |
研究代表者 |
小林 美穂 金沢医科大学, 医学部, 助教 (50630539)
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研究協力者 |
中山 雅敬 Max Planck Institute for Heart and Lung Research, Laboratory for Cell Polarity and Organogenesis, Group Leader
Graumann Johannes Max Planck Institute for Heart and Lung Research, Scientific Service Group Biomolecular Mass Spectrometry, Group Leader
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研究期間 (年度) |
2017 – 2018
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
14,560千円 (直接経費: 11,200千円、間接経費: 3,360千円)
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キーワード | 血管新生 / 微小管 / 腫瘍 / 血管安定化 / 細胞内輸送 |
研究成果の概要 |
腫瘍の進展をサポートするために腫瘍内に形成された腫瘍血管では、内皮細胞同士の接着が不安定化しており、薬剤の不到達や癌細胞の浸潤及び血管新生の容易化を誘導することで癌治療に悪影響を及ぼすことが知られている。本研究により、細胞外から作用させたバソヒビン-1(VASH1)が微小管の脱チロシン化増加を通して膜分子のエンドサイトーシスを阻害し、血管不安定化の抑制により血管安定化を引き起こすことを明らかにした。更に、組換えVASH1が血管新生自体を抑制できることも示されたため、VASH1タンパク質の投与が血管新生抑制と血管安定化誘導の両方を同時に発揮できる癌治療法として有効であることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によりVASH1/dY-チューブリン経路が効果的な腫瘍抑制作用をもたらすことを見出したことに大きな学術的・社会的意義がある。近年、VASH1自体が細胞内でチューブリン脱チロシン化酵素として機能することが報告されたが、本研究ではVASH1を細胞外から組換えタンパク質として投与した際にも同様にdY-チューブリン誘導効果が見られることを明らかにし、更に生理作用についても言及している。加えて、VASH1タンパク質の投与がこれまでの癌治療とは別の作用機序として腫瘍の進展抑制に有効であることも示されたことから、新たな治療法の候補の一つとして提示することができると考えられる。
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