研究課題
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
筋線維組成は大きく速筋線維と遅筋線維に分類され、遅筋線維の割合が高いと持久的運動能力に、速筋線維の割合が高いと瞬発系運動能力に関連する。本研究は、日本人を対象としたゲノムワイド関連解析から筋線維組成を規定する遺伝子多型を明らかにすることである。日本人212名を対象にした筋線維組成に関連するゲノムワイド関連解析遅筋線維の割合に関連しうる一塩基多型を146個抽出した。これらの一塩基多型についてヨーロッパ人を用いて再現性試験を実施した結果、4つの遺伝子座から16個の多型が遅筋線維の割合に関連することが明らかになった。今後は遅筋に関連する遺伝子の発現プロファイルについても検討する必要がある。
世界トップレベルの選手を対象として競技力を左右する筋線維組成を解析すると、短距離系競技に優れた選手は速筋線維の割合が、長距離系競技で優れた選手は遅筋線維の占める割合が高い。また、近年の研究では筋線維組成が糖尿病や高血圧といった生活習慣病にも関連することが明らかになってきている。筋線維組成は遺伝の要因が強く、運動トレーニングによる筋線維組成の変化は小さいと一般的に考えられている。本研究課題で、筋線維組成を規定する遺伝要因を明らかにできれば、遺伝情報を用いた適正種目の選択だけでなく、2型糖尿病や肥満といった疾病リスクに及ぼす影響にも貢献できると考えられる。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
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