研究課題/領域番号 |
16KT0063
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 特設分野 |
研究分野 |
遷移状態制御
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
安達 基泰 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子生命科学領域, グループリーダー(定常) (60293958)
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研究分担者 |
森元 聡 九州大学, 薬学研究院, 教授 (60191045)
老川 典夫 関西大学, 化学生命工学部, 教授 (80233005)
木下 誉富 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (90405340)
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研究期間 (年度) |
2016-07-19 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
18,460千円 (直接経費: 14,200千円、間接経費: 4,260千円)
2019年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2018年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2017年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2016年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | 酵素 / 結晶構造解析 / 中性子 |
研究成果の概要 |
本研究では、中性子ビームを用いた酵素の立体構造解析を通じて、反応中間体等の水素原子や水分子の配向を含む構造を明らかにすることで、酵素の遷移状態の制御をめざした。アミノ酸ラセマーゼの一つであるヒスチジンラセマーゼに関して、世界で初めてX線結晶構造解析に成功した。さらに、結晶化の条件を検討し、最適化を続けることで、1.0Åという高い分解能のX線結晶構造解析に成功するとともに、体積約1立方ミリメートル以上の大型の結晶の作製に成功し、中間体の中性子回折データの収集に至った。CK2に関しては、世界で初めて中性子構造解析に成功し、分子を縦断する水素結合のネットワークと、その機能性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
反応中間体等の解析は、酵素本来の緻密な反応触媒機構を解明することにつながり、例えばCK2の成果は、間接的に活性を調整するようなアロステリック型の阻害剤の開発に貢献する。またラセマーゼに関しては、得られた知見に基づいて、遷移状態あるいは中間状態を制御した酵素の合理的な改変を行うことで、従来と異なる反応生成物を選択的に得ることができると考えられる。新機能酵素による新たな有機分子合成は、独自の化合物スクリーニングライブラリーの拡充や、複雑な官能基を有する医薬品原料素材の供給を可能にし、国内産業の強みである原料素材産業における国際競争力の強化にも貢献するものと考えられる。
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