研究分担者 |
剣持 信幸 千葉大学, 教育学部, 教授 (00033887)
佐藤 直紀 長岡工業高等専門学校, 一般教育科, 助教授 (90280370)
山田 雅博 岐阜大学, 教育学部, 助教授 (00263666)
深尾 武史 岐阜工業高等専門学校, 一般教育科, 講師 (00390469)
伊藤 昭夫 近畿大学, 工学部, 助教授 (30303506)
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研究概要 |
題材が身近であること、実験・作業を取り入れること、算数・数学を問題解決のために使用すること、といった条件を満たす算数・数学の授業案をいくつか開発することができた。そして、実践後のアンケートから、子ども達に算数・数学の有用性が伝わっていると判断した。また、子ども達が授業者の意図を越えて自主的に数理を創造していく場面に遭遇することもできた。そのような子ども達の自主的な創造は、そのときの問題を解きたいという思いによるものと考えている。作業や実験を取り入れることで、問題の状況に対する理解を深めることも要因の候補となった。その一方で、現象を数学で扱う際に困難となる点も明らかになった。特に、統計に関する教科内容は、応用もふまえた上で再検討しなければならないという結論を得た。本研究で開発した教材を普及させていくためには、それを支える数理をより多くの人に理解できるような形式でまとめていくことが今後の課題である。 授業実践を一つ紹介する。対象は小学生で,2日間かけて実践した。授業名は「無敵のサイコロで大大大ゲーム大会!!」である。まず,合計得点の多さで勝ち負けが決まる双六を,通常の立方体のサイコロで遊んだ。その活動をふまえ,双六に勝てるようなサイコロ作りをすることを課題とした。子ども達は班ごとに,自分の思う目が出るような6面体にいろいろな工夫をこらして作成した。その形は,斜角柱,角錐台,平行6面体などさまざまであった。そして,自分の作ったサイコロでどのような目がでるのか実験をし,その結果をまとめた上で2回目の双六遊びに臨んだ。その実験結果を利用した効果で,1回目のときに比べ,出したい目が出るようになり,ほとんどの班で1回目のときより得点が高くなっていた。このような本講座の活動を通して,「確からしさ」という確率の最も根本となる概念を育成することができたと考えている。
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