研究概要 |
今年度は,昨年度までに開発したシステムを利用したコンテンツ開発や実践および実践のための方法論の確立を中心に研究を行った。 まず,図形の動的探究によって可能になるプロセスに焦点を当てたコンテンツを開発するために,作図ツールを使った探究のプロセスの概略と特徴をまとめるとともに,「いろいろな場合を調べる」「観察」「推測」「不可能の証明」に焦点を当てて,コンテンツ開発と授業実践を行った。また,昨年度の成果を元にして,5心の代表例としての外心の授業化を複数の観点から行った。 これらの実践は単に中学校・高校で授業を行うだけでなく,次のような点において,教師集団・教員養成学部での授業・大学院での研究と連携を持たせた。まず,作図ツールを使った探究についての議論を形成した。骨格となるwebコンテンツをもとに,メーリングリスト上で教師集団との議論を展開したり,学部生が具体的な問題例に対して行った探究例を元に(学部の授業の中で)議論し,それをまとめ,「いろいろな場合を調べる」ことに関するコンテンツを整理した。また,大学生を対象とした試験的な授業を数回行い,授業における可能性と問題点を事前に明らかにした。高校の授業は単独の研究会として行ったが,外心に関する中学校の授業研究は,提案授業を行い,それを改良する形での授業研究会を4校で行い,その研究会を実施した。授業の様子はデジタルビデオライブラリ化することによって,研究協力者のみならず,学部の授業・大学院の授業の中でも積極的に活用するとともに,それらの授業を踏まえた教材研究・授業設計を行う方法論を確立した。
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